四コマオヤジの事件簿 

やってやれないことばかり

老後事件

こんにちは。

 

こちら寒〜い日が続いています。

夜は、家族それぞれの枕元に、濡らしたタオルをぶら下げて寝ています。一応加湿しているつもりですが、効果はいかほど?

風邪をひかないように気をつけましょう!

 

  * * *

 

半年ほど前、老後というか、将来の資金繰りが気になり、「50代からのお金について」という内容の本を購入して読んだ。

わが家にどれだけお金があるのか、よく知らない私が読んでもあまり意味はないかもしれないが、まずまず楽しく( 楽しんでいる場合か?) 読めた。

 

そのあと気になる項目だけでも確認してほしいとオヤジに願い出て、本を手渡し、

「おとうさん、私を安心させてくださいませ。」と。

 

なかなか読もうとしなかったオヤジも、私がかなりしつこく迫ったためか、やっとその気になって読んだらしい。

 

 

その本の中にある、

この項目がオヤジにヒットしたようだ。

 

 

 【 死ぬまでに絶対にやりたいこと 】 

 

 

 

オヤジが言った。

 

「死ぬまでに絶対にやりたいことと言えば、

 

 やっぱり、旅行がいいだろう?

 

 思い切って行くか?

 

 

 

 韓国に!」

 

 

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オ~~~! ノ~~~~~~!

 

死ぬまでに絶対にやりたいことは、

お隣り国、

韓国旅行なの〜~~~~~~~~!?

2泊3日かいな〜〜〜〜〜〜〜〜!?

 

 イヤですぅ~~~~~~~~っ!

 

もっとデカい夢はないのか~~~~い!?

 

 

 

 

独身時代、私は旅行が好きだった。

と言っても、ほとんど国内旅行だったけど。

 

韓国と中国には仕事で行った。

万里の長城も歩いたぞ。

 

独身最後の旅行は、期間は短かったけれど、ヨーロッパ! さすがバブル世代!

 

 

何度も話したことだから、オヤジも全部知っているばずなのに、

 

死ぬまでに絶対にやることが、

 

オヤジと韓国旅行!?

 

 

  ごめんなさ~~~~~~~い

 

  イヤですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

 

 

 * * *

 

死ぬまでに絶対にやりたいこと・・・  皆さんは何ですか?

私は誰に何と言われようと、やっぱり旅行! うわーっ! どこに行こうかな? 

ぜーったい、いいところに行くゾ🙌

 

世界中がコロナに打ち勝って、あちこち行けるようになる日が、一日も早く訪れるといいですね! それまで、感染予防をしっかりやっていきましょう! 命あってこそ!!!

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、素敵な夢を抱いている人でありますように・・・

 

人間力

こんにちは。

 

ただのグチおばさんになってます。

           ガ~~~ン

さあ、私の中ではいよいよクライマックス!

 

  * * *

 

オヤジが「四コマオヤジ」なのは、

生まれ持った性質でもあり、

育った環境のせいでもあると思っている。

 

オヤジのことを哀れに思う時もある。

でも、オヤジはすでにおじさんになっていて、私にはどうすることもできない。

お手上げです。

 

 

私が一番困ること・・・辛いことは、

オヤジが自分のことを分かっていない、

ということ。たぶん。

 

せめて自分の苦手を理解していて、ちょっとでも努力しようとする気持ちや、改めようとする気持ちがあったなら、私はオヤジを励ますと思う。いや、今でも十分に励ましているし、変われるものから変わってほしいと願っている。

 

今のところオヤジには変わろうという気持ちも、変わりたいという気持ちもないみたい。これまでずっとこれで通してきたのだから、きっとオヤジ自身は困っていないのだろう。そこが残念で、つらいところ。

 

 

私は変わりたいなぁ。

この程度のことでくよくよしない、度量の大きな人になりたい。

変われるかな? 変わらねば!

おばさんだけど、まだおばさんだ🙌

 

 

 * * * 

 

 

息子たちよ。

 

若いうちだ!

若いうちに、行動せよ!

若いうちに、経験せよ!

若いうちに、失敗せよ!

若いうちに、実感せよ!

若いうちに、己を見い出せ!

 

 

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自立して、稼いで生活できるようになったら、100点!

 

その生活が楽しかったら、200点!

 

その上、

誰かと幸せを分かち合えたら、300点!

 

いつか大人になったあなたたちに「はなまる💮」をつけてあげたい。

 

たくさんの人と出会い、人のいいところを見つけて学び取ろう。人の嫌なところに気づいたら、自分自身を省みよう。世の中は「人」で成り立っている。「人」と関わらずには生きていけない。人を尊重し、人に尊重されるよう、努力していこう。感情ではなく、真心で人と向き合うことを忘れずに。

 

最後に約束

 人を傷つけてはいけない。

  命は等しい。心は等しい。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、300点満点でありますように・・・✨

 

   明日から事件簿3連打!

自立力

こんにちは。

 

今日はオヤジの育った環境について考察します。想像します、かな?

 

 * * *

 

結婚当初から、不思議なことは度々あった。

 

両親が準備してくれた婚礼家具を、新居アパートに運び入れた時、義父母が言った。

 

「しんこのこ、ズボンプレッサーは?」

「へっ? 持ってきてませんけど?」

「まったく気が利かない嫁だ。〇〇の仕事を考えたら必要なことぐらい分かるだろうに。」

 

・・・これが最初の事件。

 

ゲッ

必要なら息子に持たせれば?

 

っつーか

おたくの息子30歳超えてるんだけど、

自分で自分のこともできないの?

なんで私にやらせようとする?

 

 

その後も似たような事件は数えきれないほど起こった。

 

「しんこのこが やりなさい。」

「しんこのこが してやりなさい。」

「しんこのこが 気をつけてやりなさい。」

 

その度に心の中で叫ぶ。

 

息子に言ったらどうなの?

息子にやらせたらどうなの?

おたくの息子の世話をやくために結婚したわけじゃないんですけど?

なんでもかんでも私に押し付けないでよ!

 

 

一方で、

義父母はいつもオヤジのことを心配していた。

「⚪︎⚪︎⚪︎は大丈夫か?」

「⚪︎⚪︎⚪︎は分かってるか?」

 

オヤジは答える。

「大丈夫。」

「分かってる。」

 

その返事を聞いて、

「ほんとに分かっとるんかいな。」

小さな声でつぶやく義父母。

 

そのやりとりを見ながら、オヤジ、また ごまかしてるな、私はいつもそう思っていた。

 

 

そう。

オヤジは何でも、

「大丈夫」「分かってる」と言う。

 

私もこの言葉を聞いて、大丈夫なのだろう、分かっているのだろうと思ってきた。長いことそう信じて疑わなかった。

 

ある時、それはオヤジの逃げ文句だと知った。

「大丈夫」「分かってる」

そう言いさえすれば、この場は収まり、逃げ切れる。そういう使い方。そしてそれがオヤジの常套手段だ。

 

 

おそらくオヤジは、ずっとこの手を使って しのいできたに違いない。

 

分からないなら「分からない」と、言える息子に育てなければならなかったですねぇ・・・

分かってないって本当は感じているから、オヤジが大人になっても信用できず、ずっと心配してるんでしょうねぇ・・・

 

そんなに心配な息子なのに、なぜ結婚なんてさせたの?

 

世話をやく嫁が必要だったから?

 

それがたまたま

 私だったってこと~~~~~~~~!?

 

 

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と、

私は本気で思っている。  ち~~~ん

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、 自分のことは自分でできる、自立した人でありますように・・・

 

 

yonkomaoyaji.hatenablog.com

 

 

決断力

こんにちは。

 

「白血病と闘う」シリーズは、かなり重たかったですね💦 書いていて、けっこうしんどかったです。読んでくださった皆様、ありがとうございました❗️

 

この病気のことをあらためて振り返るのは初めてでした。

三男と一緒に入院していた間は、私の半世紀の人生の中で最も動きの少ない (座っていることが多い) 期間だったのですが、気持ち的には いっぱいいっぱい。その時は必死だったのに、具体的な治療内容などは今ではほとんど覚えていません。

現在は年に一度 検査について行くだけなのに、私は今でも毎回 頭痛に見舞われます。あの時の精神的な苦痛が、体と心に沁み込んでいるのでしょうね。

ずっと白髪染めをしているからよく分からないけど、きっと白髪もたくさんあるんだろうな。

 

人生って、いつ、どこで、何が起こるか分かりません。

だったら、今を楽しく笑って過ごしていたい!

 

 

 * * *

 

 

この最大のピンチで気づいたのが、

オヤジは「四コマオヤジ」だということ。

 

それまでも、おかしな人だな、くらいには感じていた。

まあ、自分がしっかりしていればどうにかなるさ、くらいに思っていた。

 

 

でも、気づいてしまった。

 

 助けてほしい。

 手を貸してほしい。

 神様、これ以上 私に何を求めるのですか?

 

そんな苦境の中で、

 

助けを求めているのに、オヤジには助けてもらえないってこと。

手を貸すどころか、オヤジに足をひっぱられてるってこと。

 

悲しくも、気づいてしまった。

 

 

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僕がなんとかするから大丈夫だよ。安心して。

そう言ってくれる夫だったらどんなにいいだろう。

 

二人で力を合わせればなんとかなるよ。一緒に頑張ろう。

そう言ってくれる夫だったらどんなに心強いだろう。

 

 

うちのオヤジは、

うつむいて「だんまり」を通す。

 

私が「こうしようか」と言うと、

パッと顔を上げて「そうしよう」と言う。

オレもそう考えていたんだ、みたいなふうに。

 

私はこのやりとりを「一緒に考えている」とずっと思っていた。思い込んでしまっていた。

でも、そうじゃなかった。

 

考えるのも、決断するのも、

いつもいつも私ひとりだった。

全部ひとりで背負ってきたんだ~~~!

 

 

 

はああああ。

気づいてしまったのよねぇ・・・

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、ここぞという時に力を発揮する人でありますように・・・

 

 「お笑い」のタグは外しましょうね💦 あはっ

 

白血病と闘う⑩

こんにちは。

 

シリーズ最終話となります。

丸3年におよんだ三男の白血病との闘い。自宅での服薬が最後の治療でした。苦しみと恐怖に耐え続けた、長い長い治療がついに終わる! 待って待って、待ちわびたこの瞬間! 

 

この「お薬最後の日=治療最後の日」に、オヤジは従兄弟と酒を飲んで上機嫌に帰って来ました。1ヶ月以上前から、この日はお祝いしようと話していたにも関わらず・・・。

家族のことを全く気遣えないオヤジに腹を立てた私は、数年ぶりに激怒し、号泣しながらオヤジを責め立てた・・・という場面の続きです。

 

  * * *

 

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どうして、こんな大切な日を忘れるの!?

 

今まで頑張ってきた三男を、どうして褒めてあげられないの!? 

 

寂しい思いをしてきた長男と次男を、どうして労ってあげられないの!? 

 

それで父親って言える!? 

 

いい夫にはならなくても、

せめていい父親にはなってほしいって、

ずっとずっと頼んできたでしょう!? 

 

どうして!? 

どうして分かってくれないの!?

 

 

 

 

こんな時、オヤジは必ず、ある行動に出る。

 

 

腕を組んで、

目をつぶり、

下を向く。

 

黙って私の話を聞いている、

 

 

かのように見える。

 

 

私が泣こうが、

わめこうが、

 

黙って聞いている、

 

 

かのように見える。

 

 

 

しばらくすると、

 

 ぐら〜ん ぐら〜ん ぐら〜ん

 

前後左右に揺れ始める。

 

 

 

 

 オキアガリコボシ

 

 

 

オヤジは、

 オキアガリコボシになる。

 

 

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  ぐら〜ん ぐら〜ん ぐら〜ん

 

 

 

私が話し終えると、

スッと、どこかへ消える。

 

 

そして・・・

2~3日も経てば、

まるで何事もなかったのように、

いつものオヤジに戻る。

 

 

変わらない。

 

オヤジは変わらないよ。

 

きっとこれからも、

 オヤジはオヤジとして生きていく。

 

 

 

三男の白血病の治療は、無事に終了しました。その後は、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、1年に3回、という頻度で血液検査・経過観察をしてきました。治療終了から5年経った時、「再発の確率が減った」ということで、その後は1年に1回の検査受診を続けています。

 

今現在は、元気に高校生活をエンジョイしています。ただ、将来的には、強い治療の影響で何らかの問題が生じることもある、再発の可能性が全くないわけではない、とのことです。成人病などにはなりやすいらしく、食事や運動、生活習慣に、人一倍気を配るよう言われています。

 

 三男よ、

 肝に銘じておきなさい!!

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、問題から逃げ続ける人ではありませんように・・・

 

白血病と闘う⑨

こんにちは。

 

 即日入院から始まった三男の白血病の治療。丸3年が経とうとしていた。

あと少し、あと少しで、全ての治療が終わる。

 

長くて、苦しくて、悲しくて、切なくて・・・

どんなに言葉を尽くしても、言い表せないほどつらい日々だった。

 

私も息子たちも、表面上は元気に振る舞ってきた。毎日の生活に楽しみをプラスしながら、「笑う」ことも忘れずに過ごしてきた。

 

 

✨「お薬最後の日! 〇〇頑張ったね!」✨

ひと月前からカレンダーに書き込みをし、キラキラで囲んでいる。家族みんなでお祝いをするために。      

 

 

 

 

さあ、待ちに待ったお薬最後の日!

どうやって三男を労おうか、

どうやってこの喜びを分かち合おうか・・・

 

朝の薬を飲ませても、涙が出た。

昼の薬を飲ませても、涙が出た。

 

あと、1回!!!

 

 

・・・夕食直前に、

オヤジから電話がかかってきた。

 

「今から従兄弟と会う。

 バンメシはいらない。」

 

「どうしても今日じゃないとダメなの? 

 だって今日は・・・」

 

「もう約束したんだから、何も言うな。

 じゃあ、そういうことで。」

 

オヤジはいつものように、言うだけ言ってブチッと切った。

今にもあふれ出しそうな、私の言葉をひと言も聞かずに・・・

 

 

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気を取り直して・・・

 

子どもたちと4人で夕食を済ませた。

そして、最後の薬を準備する。

長い長い3年間の出来事が思い出され、

自然と涙がこぼれ落ちた。

三男が薬を飲むのを皆で見守る。

 

拍手、拍手、拍手!!!

 

「今までほんとによく頑張ったね。」

「お兄ちゃんたちも、よく頑張ったね。」

 

皆で抱き合った。

いっぱいいっぱい喜びと安堵の涙を流した。

三男も、長男も次男も、そして私も、

闘い続けた3年だった。

 

 * * * 

 

夜遅く、オヤジが帰って来た。

ご丁寧にお酒まで飲んで上機嫌。

 

「おとうさん、ちょっと話してもいい?」

「えっ? 何?」

 

従兄弟との話を聞けば、大した用があったわけでもない。何かちょっと頼み事をされただけ。電話でも済ませられただろうし、少なくとも、今日でなくてよかったはず。

 

 

許せない。

今回ばかりは許せない。

 

 

何年ぶりだっただろうか、私は大爆発、大噴火状態でオヤジを責めた。

 

 

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こんな時、オヤジは必ず、ある行動に出る。

 

 ( 気になりますが、続きは明日です。ごめんなさい。)

 

 

今日の一言

あなたの旦那様が、大切なものを大切にする人でありますように・・・

 

白血病と闘う⑧

こんにちは。

 

6ヶ月半におよんだ入院治療を終え、三男が外来治療を受けている頃の話です。

 

白血病はご存知の通り血液の病気です。

当然のことなのでしょうが、その治療は血液の状態にものすごく影響します。

赤血球、白血球、血小板・・・

血液中のいろんな成分が足りなくなってしまいます。

 

皆様方の献血のおかげで、三男も数知れないほどの輸血を受けることができました。

 

 * * *

 

外来治療とはいえ、白血病の治療に変わりはない。何度も日常生活が困難な状態になり、入退院を繰り返した。

 

その度に長男は家に残り、次男は施設に入るという厳しい生活だった。短くて5日、長い時は1ヶ月にもなった再入院。

半年以上の入院生活が終わり、一旦家に戻れたがゆえに、再入院することがつらくてつらくてたまらなかった。

ああ、また離ればなれ。今度はいつ戻って来れるのか・・・ 私以上に、子どもたちは苦しんだと思う。元の生活に戻れたかと思いきや、また孤独との闘いを強いられるのだから。

 

三男の体力がいくらか戻って、幼稚園に復園することになった。免疫力が弱いため、他の病気にかからないように、マスクが欠かせない生活。

薬の副作用で、機嫌が悪く「ぷんぷん」する期間もあるし、逆に何もする気にならず「どよ~ん」としてしまうこともある。顔がパンパンになる時もあれば、げっそりすることもある。2ヶ月に一度の強い治療の後は、また髪の毛も抜ける。

命を守る治療であり、小さな体と心が大きく振り回される治療でもあった。

 

 

ある日のこと。

オヤジが自分の実家に行くのに、三男も連れて行くと言い出した。元気になった姿を見せたいと。

「元気には見えるけれど、疲れやすいし無理はきかないから気をつけてやってね。」

オヤジにそう伝え、

「心配だからあまり遅くならないで。」

と頼んだ。

 

 

そろそろ帰って来ないかな、遅いな・・・

心配していると、

オヤジから電話が。

 

「たいへんなことになってしまった。

 ◯◯がケガをした。」

 

「えーーーっ!? どこをケガしたの!?」

 

「ブランコから落ちて、頭をケガした。」

 

「ブランコ!? 頭!?

 血は!? 血は止まったの!?」

 

「義姉さんに応急手当はしてもらったから、

 とにかく、今から帰る。」

 

オヤジはブチッと電話を切った。

 

 

それからの待ち時間・・・ 

心配で、心配で。

 

三男の血液の状態が今現在どうなのか、素人の私では分からない。

状態によっては、血が止まらないこともある。

脳内出血を起こしてしまう可能性だってある。

 

どうしてケガをするような、そんなことになったのだろう。

大丈夫なのだろうか。

不安で、不安でたまらなかった。

 

 

帰宅した三男は、額から頭頂部近くまで、広い範囲ですりむいていた。

幸いにも傷は浅いようだったが、細菌が入ればまた大事になる。

 

三男が話してくれた。

「おとうさんが、ブランコをいっぱい押したんだ。僕は怖いからやめてって何回も言ったんだけど、やめてくれなかったんだよ。それで怖くなりすぎて、手を放しちゃったんだ。」

 

 

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ぎょえ~~~~~~~~っ!!!

 

ただでさえブランコなんて乗せられないのに、

怖がるほど押したっていうのか!?

 

やめてって言うのに、

やめなかったっていうのか!?

 

それで、

ケガさせたっていうのか~~~~~~!?

 

 

翌日病院に行き、しこたま叱られました。

もちろん、私が・・・です・・・・

大事には至らず幸いでした。

 あ~ 良かった~

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、してはならないことを、張り切ってしてしまう人ではありませんように・・・

 

 

白血病と闘う⑦

こんにちは。

 

前々回の続きとなります。

4歳の三男は白血病と闘い続けていました。その頃の話です。

 

 * * *

 

三男の入院治療は6ヶ月半におよんだ。

この間 休むことなく治療が続いた。とても複雑な治療だったし、もとより医学に何の知識もない私だから、ただただ先生方を信じて祈り続ける日々だった。

たくさんの薬、注射、点滴、輸血・・・私が見ることの出来ない処置室での治療、一生分? いやそれ以上? の治療という治療を受けているような、そんな日々だった。

三男は頑張ってくれた。耐えてくれた。

 

 お母さんはあなたを誇りに思います

 

 

 

初診の日、家に帰ることなくこの大学病院で入院治療を始めてから6ヶ月半、ようやく自宅に戻り、外来での治療に移行することが出来た。

 

2週間に1回のペースで外来を受診する。外来日には、まず最初に血液検査を受ける。その結果を見て、点滴を受けたり、輸血を受けたり。そして日常生活が難しい状態だと判断された場合は、即日入院をしなければならない。

 

この治療が2年半続くらしい。・・・途中に何事もなければの話、ということだった。

 

 

入退院を何度か繰り返しながらも、治療は順調に進んでいった。

 

半年ほどが経った頃、

友人から、

「しんこのこさんも息抜きが必要だよ。」

と、夜の食事会に誘ってもらった。

 

もともと夜に家を空けることは年に1~2回しかなかったのだが、今回は本当に久しぶり!

 

しかし、

三男に薬を飲ませなくてはならない。

 

まずいまずい粉薬。しかも3包。そして何より、命を守る大切な薬。少量のシロップでこねて、吹き飛ばしや飲み残しがないよう、注意しながら飲ませていた。

 

オヤジが、

「オレに任せておけ。」

と。

 

オヤジも毎日見ていることだし、

朝昼晩、間違いのないように1回分ずつケースに入れている。

 

これなら、

たとえオヤジであっても出来るはず!

 

 

夕飯の支度を済ませ、

友人と一緒に私は夜の街に向かった。

 

 

楽しい食事を済ませ、23時ごろに帰宅。

三男はもう眠っていた。

 

 

ん?

んんん?

 

 

薬がケースに残ってる。

 

しかも、

 

なぜか、

 

1包だけ残ってる。

 

 

ど、どういうこと?

 

 

「おとうさん、

 どうして1包だけ残ってるの!?」

 

「それは飲ませなくていいんじゃないの?」

 

 

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どうしたらそうなるの?

 

3包同じところに入ってて、

どうして1包だけ、

飲まなくていい、と判断するの?

何が根拠になって、そうなるの???

 

 

分からない! 分からない!

 分からない~~~~~~~~!!!

 

 

 命を守る薬なんだよ~~~~~~~~!

 

 

 

眠っている三男を起こした。

   ごめんね、お薬、もう1回、飲もうね・・・

 

 

余談ですが、入院生活が長かったため筋力の衰えが半端ではありませんでした。付き添いの私でさえも、スーパーに行くだけでゼイゼイ言ってしまうほどでした。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、勝手過ぎる判断をしない人でありますように・・・

 

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    久しぶりに海を見ました! 

デイリーニュース No.10

こんにちは。

ちょっとブレイク!

 

 * * *

 

朝食時の会話・・・

※敬称をつけないオヤジの無礼をお許しください。

 

オヤジ

「秋篠宮って天皇の弟だったっけ?」

「そうよ。」

 

「で、紀子さんの旦那やったっけ?」

 

「そうよ。」

 

「なんで秋篠宮があんな会見するんだろ?」

 

「あんな会見って?お誕生日だからでしょ。」

 

「いやいや、結婚を認めるとかいう話。」

 

・・・ん? オヤジ、何が聞きたい?

 

「天皇が言えないからかな。」

 

「どういうこと?」

 

「天皇が言うと問題だから、弟に言わせてるのか?」

 

・・・んんん? 

 

「秋篠宮が天皇の代わりに言ってるのか?」

 

「何を?」

 

「だから、結婚を認めるとかいう話だよ。」

 

「普通の親だって、この結婚は認めるとか、認めないとかいうじゃない。」

 

「そうじゃなくて、なんで弟の秋篠宮が言うのかってこと!」

 

「そりゃあ、眞子様の親だからでしょ。」

 

「あれ? 昨日の会見って、秋篠宮の娘のことか? はははは。これは失敬。」

 

 

 

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オヤジ~~~~~~~~!

 

誰と誰を、

 どう間違えた~~~~~~~~!?

 

 

 

毎朝全ページ新聞めくって、

毎日テレビ三昧してるのに、

 

 どんだけ世の中に疎いの~~~~~~!?

 

 

いや、

 基本からなってない~~~~~~~!!!

 

 

 

忙しい朝に、

一生懸命話を聞いて、

なんとかくみ取ろうと努力したけど、

何を言いたいのか全然分からなくて、

結果的にオヤジのとんちんかんを、

痛感しただけでした・・・

              ち~~~ん

 

 

白血病と闘う⑥

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

4歳の三男、白血病で闘病中。大学病院で母子入院していた頃の話です。家ではオヤジと長男が2人で暮らしていました。

 

 * * *

 

ある朝、病院にいる私の携帯に自宅から電話がかかってきた。

こんな時間にどうしたのかな?

 

 

「お母さん、寝坊してしまった。

 どうしよう。」

 

電話は小5の長男からだった。

すでに学校の1時間目が始まっている時間だ。かなり動揺しているのが声色から伝わってきた。

 

「お父さんは?」

 

「起きたらいなかった。」

 

 

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なぬっ!?

 

さてはオヤジ、

自分も寝坊して、

長男を置き去りにしたなーーー!!!

 

 

 

かわいそうな長男・・・

 

「大丈夫よ。先生には事情を話してあるから、怒られたりしないよ。あせらなくていいから、今から朝ごはんを食べて、学校に行こう!」

 

「分かった。ありがとう。」

 

「食べる物は何かある?」

 

「うん。食パンを食べる。」

 

「心配しなくていいから、ゆっくり食べて。それから学校に走って行くと危ないから、落ち着いて車に気をつけて行ってね。」

 

 

こうして無事に(?)長男の1日がスタートした。

 

オヤジ、長男を起こす余裕もなかったのか? 途中で電話することも、私に連絡することもできなかったのか?

 

鬼(私)の居ぬ間に、ここぞとばかり夜更かしを楽しんでいるのだろうけど、

 

 

 しっかりしてくれよ~~~~~~~~!

 

 息子を支えてくれよ~~~~~~~~!

 

 オヤジしかいないんだぞ~~~~~~~~!

 

 

長男の担任の先生には大変お世話になりました。時折連絡帳を通じて家庭状況や弟の様子を報告していたのですが、その度にあたたかい応援のメッセージをいただきました。途中からは私が出来なくなった「給食エプロン」の洗濯・アイロンがけまで代わっていただいて・・・ 長男も心強かったと思います。心から感謝です。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、息子を置き去りにしない人でありますように・・・

 

白血病と闘う⑤

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

4歳の三男、白血病で闘病中。大学病院で母子入院中です。( 10年ほど前の話です。)

 

 * * *

 

三男は厳しい治療に耐えていた。痛い治療は麻酔中に行われるので、「痛み」を感じることはほとんどなさそうだった。それでも1日に3~4回はマズイ薬を数包飲み、点滴を何時間もつながれる。強い治療の後は顔色が悪くなり、輸血も度々行われた。

 

「きつい」とも「くるしい」とも言わないけれど、頑張っていることは分かっている。頑張っているのに、「頑張ろうね」と何度も繰り返す自分が悲しかった。代われるならば代わってあげたい。毎日毎日そう思う。

 

調子の良い時には一緒に遊ぶ。ベッドの上で出来る遊びもたくさん考えた。治療はきついけれど、楽しいこともいっぱいあるね。明日もきっと楽しいことが待っているよ。そうやって一日一日を乗り越えていく。

 

この頃の合言葉は、

「あきらめない!」

だった。

 

三男の言葉に、私の方が励まされていたのかもしれない。えらいね、三男。

 

 

三男が個室で治療を受けている間は、土日にオヤジと病院泊まりを交代出来た。しかし、4人部屋に移ると、それも出来なくなってしまった。

 

次男がお世話になっている施設が遠方だったため、オヤジが朝迎えに出ても、戻ってくるのはお昼過ぎ。それから病院に来て交代すると、私が長男次男と過ごせるのは5〜6時間。

それでもやっぱり嬉しかった。離れて過ごした1週間を取り戻したい。そんな気持ちだった。

 

ところが、いざ家に帰ってみると、家の中が汚い。

2人で生活しているとは思えないほど汚い。

 

汚すぎる。

 

猛スピードで掃除をし、洗濯物にアイロンをかけ、タンスの中を整理する。

せめて夕飯くらいは手料理を食べさせたいから、買い物に行き料理をする。

 

あれれ?

子どもたちと触れ合う時間がない!?

 

もう一度オヤジに頼んでみよう。週に1回でいいから部屋を片付けて・・・と。

 

 

長男次男と過ごす時間は、毎回あっという間に終わってしまう。夕飯の片付けを済ませたら、もう病院に戻らなければならない。

 

「また来週ね。お母さんも楽しみにしてるからね。おりこうさんにしててね。」

ぎゅーっと、ぎゅーっと、

ハグをして別れる。

 

 

 

面会時間ギリギリに、三男の待つ病室へ。

 

 

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ウガ~~~~~~~~ッ!

 

なんでこんなに汚いの~~~~~~~~!

 

 

お菓子の食べ残し、空き缶、ペットボトル。

ベッドの布団はぐっちゃぐちゃ。

三男の髪の毛、お菓子の粉・・・!

( しかも三男はお菓子を食べられない )

 

 

汚い~~~~~~~~!

 

 

家に帰れば家の掃除、

病室に戻れば病室の掃除!

悲しい! 悲しい! 悲しい!

 

 

「お父さんと何して遊んだの?」

 

「ボクはね、遊ぼうって言ったんだけど、お父さんはずーっとテレビばっかり見て遊んでくれなかった。その後は寝てたよ。」

 

 

  おのれ~~~~~~~~!

 

  何しに来た~~~~~~~~!

 

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、子どもを愛おしむ人でありますように・・・

  

白血病と闘う④

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

白血病と診断された三男。大学病院の小児科で4歳になりました。半年に及ぶ母子入院生活。その頃の話です。

 

 * * *

 

長男はオヤジと2人だけの生活を送っていた。私の両親が時々は泊まりに来てくれていたが、実家には田畑もあり、いつもというわけにはいかない。

次男は福祉施設に入っている。土曜日にはオヤジが迎えに行くが、病院にいる私は短い時間会えるだけ。ぎゅーっと抱きしめた後には、また悲しい別れが待っていた。

 

毎日毎日、いつもそばにいた子どもたち。こうして離ればなれになる日が来るなんて・・・ ひと月が経っても、ふた月が経っても、この寂しさに慣れることは出来なかった。

 

 

長男は小学5年生になった。

体は大きめで、思春期に一歩足を踏み入れたところ。

されど長男。甘えん坊さん。

 

朝食は食パンかシリアルか、そんなところだろう。

学校に行って、帰宅して、友達と遊んで、オヤジの帰りを待つ日々。

オヤジは料理どころか、白ご飯も炊けない。

夕食は毎日、お弁当か外食らしい。

 

乱れた食生活で体のことも心配だし、学校からの連絡も私には届かない。オヤジにちゃんと話せているかな、大事なことを言い忘れていないかな。オヤジがオヤジだから、心配でたまらなかった。

 

毎夜 電話で話しはしていたものの、長男は口数が少ないので、本当の気持ちを出せているだろうかと不安もある。週に一度は顔を見るのだけれど、どんどん表情が沈んでいくような気がした。当然と言えば当然。まだ小学生の君には きっと長すぎる道のりだね・・・

 

 

ある土曜日、オヤジと付き添いを交代して、長男次男と過ごすことになった。

車に乗って家に帰ろうとした時、

長男が申し訳なさそうにしゃべり始めた。

 

「お母さん、体育の赤白帽子なんだけど。」

 

「ん? どうしたの?」

 

「お父さんが洗濯したら、シワクチャに縮んじゃって、恥ずかしいんだ。新しいのを買ってくれない?」

 

 

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オヤジ~~~~~~~~!

あれだけ言い聞かせたのに~~~~~~~~!

洗濯物、

 全部乾燥機にかけてるな~~~~~~~~!

 

 

できる物とできない物があるから、乾燥機は駄目って教えたよね? 

たった2人分の洗濯物を干すのが、そんなに面倒くさいの?

干してさえくれれば、あとは長男だって自分で出来るのに・・・

 

 

ハンドルをぐいっと回し、赤白帽子を買いに行った。

家に戻って確認すると、長男の服のプリント柄は無残に はがれかけていた。かわいそうに、この服も学校に来ていくには恥ずかしいね。今度また新しい服を買いに行こうね。お母さんがいてあげられなくて、本当にごめんなさい。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、教えられたことをきちんと守る人でありますように・・・

 

白血病と闘う③

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

白血病と診断された三男、入院して間もなく4歳の誕生日を迎えました。厳しい治療が始まった頃の話です。

 

 * * *

 

抗がん剤治療が始まった。点滴、飲み薬、全身麻酔をかけての脊髄注射治療( 実際には見ていないので詳細は分からない )など、いろいろな治療が組み合わせられていた。体の調子が良い日もあるし、きつい日もある。薬の副作用も出たり出なかったり。

 

三男はもともとのんびり屋さん。そしていつもニコニコしている。看護師さんたちからも、「癒されるぅ ♪ 」と可愛がってもらった。

 

 

入院治療は、うまく進んでも半年はかかるそうだ。途中で何かあれば中断するし、治療法を変えることもあると聞いていた。

長い。終わりが見えるようで見えない。もしかしたら途中で・・・なんて恐ろしいことも頭をよぎる。苦しくて、苦しくて、逃げ出したくて。つらくて、つらくて、投げ出したくて。

 

 

ひと月ほど経った頃、抗がん剤の副作用で とうとう髪の毛が抜け始めた。

 

「今ね、つよ~いお薬で、体の中のバイキンをやっつけてるんだよ。それで体がびっくりしてね、髪の毛が取れちゃうんだよ。でもね、また ちゃんと生えてくるから心配はいらないよ。大丈夫、大丈夫。怖がらなくていいからね。」

 

素直な三男は、私の言葉をすっと受け入れてくれた。

 

 

 

休みの日に、オヤジがやって来た。

 

「おとうさん、ちょっと売店に行って来るから、ここにいてくれる?」

 

「いいよ。」

 

売店に行き、必要なものを買って戻って来た。

 

 

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「おとうさん! 何してるの!?

 かわいそうだからやめてよ!!!」

 

思わず大きな声を出してしまった。

 

オヤジはベッドの上の三男にビデオカメラを向けていた。

そして、

「髪の毛がこ~んなに抜けてま〜す。」

と実況中。

しかも、

息子の頭に手を当て、わざわざ抜け落ちる様子を撮影していた。

 

「どうして、そんなことするの!?」

 

「だって、いい思い出になるじゃないか。

 こんなことめったにないし。」

 

 

「お願いだから、やめて! 

     私がいやなの!!!」

 

 

 

感覚の違い・・・だろうか?

オヤジは「いい思い出」になると言うが、

私は「いい思い出」になんて絶対にならないと思う。

 

小さな体に、抗がん剤を繰り返し繰り返し投与して、見ているだけで苦しくてたまらないのに、「いい思い出」になんてなりっこない。

 

長男、次男、そして私たち。家族が離ればなれになって、抱きしめたくても抱きしめられず、泣いていてもなぐさめてもやれない。こんなにつらい日々が「いい思い出」になんてなりっこない。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、あなたの弱った心をやさしく包み込んでくれる人でありますように・・・

 

白血病と闘う②

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

3歳だった三男が白血病と診断され、母子入院をすることになった時の話です。

 

 * * *

 

小学4年生の長男はオヤジと家に残り、特別支援学校2年生の次男は、やむなく福祉施設にお世話になることになった。

 

一つの家族が3つの場所でそれぞれ別の生活を送る。他に方法がないとは言え、母である私にとっては、耐え難い苦しみだった。この体を3つに切り刻んででも、3人の息子と一緒にいたい。そう願った。

 

現実は、大学病院小児科病棟の個室で三男と2人きり。まだあどけない三男は、四方を柵で囲まれた白いベッドの上で、ニコニコしながら私を見つめている。

 

すでに進行を抑えるための治療が始まっている。小さい腕に管を通し( 痛みはないそうだ )、一日に数回の点滴を受けていた。

詳しい検査結果が出た上で、今後の治療法が決められるらしい。

 

私にできることは、この子が不安にならないように、一緒に楽しく過ごしてあげること。いっぱい話して、いっぱい遊んで、いっぱい抱きしめてあげること。

 

そして三男が眠りについている間、長男はどうしているだろう、次男は泣いていないかな、心配で心配で・・・ 何度も何度も涙を流した。

 

 

オヤジは1週間の休暇をもらって、初日には、次男を施設へと連れて行った。

 

3日目だったか、病院に持ってきてほしい物があり、オヤジに電話をかけた。

 

おかけになった番号は・・・

  運転中かな?

 

  しばらくして、

おかけになった番号は・・・

 

  またしばらくして、

おかけになった番号は・・・

 

 

こんな時にどこに行ってるんだろう?

 

 

・・・まさか、アソコじゃないよね?

 

いくらなんでもアソコじゃないよね?

 

 

 

2時間ほどして、

オヤジから電話がかかってきた。

 

「ごめんごめん。ちょっと出かけてた。」

 

「どこに?」

 

「いや、たいしたことじゃない。」

 

 

「まさかとは思うけど、

 マッサージに行ったりしてないよね?」

 

 

「すごっ! よく分かったね!

    することがなくてさー。」

 

 

 

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すごっ、じゃねえよ!

 

さー、じゃねえよ!

 

 

「白血病」がどんな病気か、

  分かってるの~~~~~~~~!?

 

 

 

まさかと思ったが、オヤジは趣味のマッサージに出かけていた。ヒマだったらしい。オヤジのマッサージは長い。90分コース、もしくは120分コース。長くてバリ高。リラクゼーション? アロマ? 本当に必要なの?

 

息子の病気が、マッサージに負けるとは・・・

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、大事なものを見失わない人でありますように・・・

 

白血病と闘う①

こんにちは。

 

前回の続きとなります。

3歳だった三男が白血病と診断された時の話です。

 

 * * *

 

女医さんに「白血病」と診断を受け、私の頭は真っ白になった。

オヤジに電話。

しばらくして会社にいたオヤジも大学病院に駆けつけた。

 

さて、今日から入院となると、いろんなことを考えなくてはならない。

三男が幼いため、母子入院。私も一緒に病院で過ごさねばならない。

 

一番の問題が、次男のこと。

これまであえて触れなかったが、次男には生まれつき障害がある。一時たりとも目が離せない。学校以外の時間は常に私と一心同体で過ごしてきた。当時は特別支援学校の2年生。

この次男を誰が支えるのか・・・

 

オヤジ、ずっとうつむいて固まり続けている。

そうだね、

オヤジには無理だね。

今までも、これからも、オヤジには任せられない。どれだけ頼んでも駄目だったんだから、急場しのぎだって任せられない。

 

実家の両親? 70歳を過ぎていて、体力的に難しい。普段から一緒に住んでいれば可能性もあったが、何せ次男の世話は大変で。

 

 

考えた。

「白血病」とうい言葉を一旦横に置いて、考えて、考えて、考えるしかなかった。

 

顔も上げないオヤジ。

 

 

いろいろ迷った挙句、最後の手段、福祉施設にあずける・・・という結論を出した。

これまでの人生の中で最も苦しい決断だった。

 

施設に電話をすると、急な申し出にもかかわらず快く引き受けてくださった。次男は泣き叫ぶかもしれないが、母としては心強い。感謝しかない。

 

 

そうと決まれば、早速行動に移さねばならない。

今日の一晩、オヤジを三男の付き添いとして病院に残し、私は次男の旅立ちの準備と、長男次男の心のケアのため帰宅することにした。

 

 * * *

 

「おとうさん、後のことをお願いね。」

 

「分かった。

 任せておけ。

 で、

 オレ今夜 何を着て寝るの?」

 

「へっ? そのままでガマンしてよ。

 持って来る時間なんてないよ。」

 

「えーーっ! これじゃあ寝れないよ!

 ぜったいに無理だ。寝られない!」

 

 

 

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オヤジ、寝る気、満々~~~~~~~~!

 

こんな状況で、

 自分の寝巻の心配か~~~~~~~~!

 

 

私は猛ダッシュで一階の売店に走り、絶対に今夜一晩しか着ないであろうオヤジのパジャマを買って戻った。オヤジはそのパジャマを見て、「こんな病人みたいなのを着るの?」とほざいたが、そんな言葉を気にする余力は私にはもうなかった。

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、この期に及んで駄々をこねる人ではありませんように・・・