白血病と闘う④
こんにちは。
前回の続きとなります。
白血病と診断された三男。大学病院の小児科で4歳になりました。半年に及ぶ母子入院生活。その頃の話です。
* * *
長男はオヤジと2人だけの生活を送っていた。私の両親が時々は泊まりに来てくれていたが、実家には田畑もあり、いつもというわけにはいかない。
次男は福祉施設に入っている。土曜日にはオヤジが迎えに行くが、病院にいる私は短い時間会えるだけ。ぎゅーっと抱きしめた後には、また悲しい別れが待っていた。
毎日毎日、いつもそばにいた子どもたち。こうして離ればなれになる日が来るなんて・・・ ひと月が経っても、ふた月が経っても、この寂しさに慣れることは出来なかった。
長男は小学5年生になった。
体は大きめで、思春期に一歩足を踏み入れたところ。
されど長男。甘えん坊さん。
朝食は食パンかシリアルか、そんなところだろう。
学校に行って、帰宅して、友達と遊んで、オヤジの帰りを待つ日々。
オヤジは料理どころか、白ご飯も炊けない。
夕食は毎日、お弁当か外食らしい。
乱れた食生活で体のことも心配だし、学校からの連絡も私には届かない。オヤジにちゃんと話せているかな、大事なことを言い忘れていないかな。オヤジがオヤジだから、心配でたまらなかった。
毎夜 電話で話しはしていたものの、長男は口数が少ないので、本当の気持ちを出せているだろうかと不安もある。週に一度は顔を見るのだけれど、どんどん表情が沈んでいくような気がした。当然と言えば当然。まだ小学生の君には きっと長すぎる道のりだね・・・
ある土曜日、オヤジと付き添いを交代して、長男次男と過ごすことになった。
車に乗って家に帰ろうとした時、
長男が申し訳なさそうにしゃべり始めた。
「お母さん、体育の赤白帽子なんだけど。」
「ん? どうしたの?」
「お父さんが洗濯したら、シワクチャに縮んじゃって、恥ずかしいんだ。新しいのを買ってくれない?」
オヤジ~~~~~~~~!
あれだけ言い聞かせたのに~~~~~~~~!
洗濯物、
全部乾燥機にかけてるな~~~~~~~~!
できる物とできない物があるから、乾燥機は駄目って教えたよね?
たった2人分の洗濯物を干すのが、そんなに面倒くさいの?
干してさえくれれば、あとは長男だって自分で出来るのに・・・
ハンドルをぐいっと回し、赤白帽子を買いに行った。
家に戻って確認すると、長男の服のプリント柄は無残に はがれかけていた。かわいそうに、この服も学校に来ていくには恥ずかしいね。今度また新しい服を買いに行こうね。お母さんがいてあげられなくて、本当にごめんなさい。
今日のひと言
あなたの旦那様が、教えられたことをきちんと守る人でありますように・・・