四コマオヤジの事件簿 

やってやれないことばかり

手羽先事件

こんにちは。

 

また食べ物の話で失礼します。食べ物のことを事件簿にするたびに、自分が浅ましい人間なのか?と心配になります。  とほほ

 

わが家の手羽先料理は、塩コショウを振ってオーブンで焼くだけの簡単料理。チョー人気メニューです。簡単だけど、油がはねて片付けは…大変。

5人家族だけど、ぷりぷり肉が苦手な次男と私は食べないので3人だけ。オヤジ(夫)、成人長男、高校生三男です。この3人が同じ時間に揃う時だけのメニュー。やっぱり焼き立てが美味しいですからね。

 

 * * *

 

さて、この日の手羽先は20本。3人で分けると7本・7本・6本。

そこはやさしい高校生が譲ってくれる。僕は6本でいいよと。

 

焼き立てを分け合うはずが、なかなか長男が帰って来ない。

仕方なく食べ始めた。

 

「どれどれ」

  オヤジの目がギラつく。

 

 はーむっ じゅばっ ちゅるるっ

 

相変わらず汚らしい音を立てる。

 

ものすごい集中力で かぶりつく。

 

 はーむっ じゅばっ ちゅるるっ

 

あまりの勢いで食べ続けるから、

「長男にも大きいヤツを残しといてよ」

と、釘を刺した。

 

「分かった」

 

そう言いながら、オヤジは一番デカい手羽先を自分の皿にのせた。しかも自分の箸でアレコレ物色して。

 

「あれ? 

 7本ずつだったよね?

 何本食べたか分からなくなった。」

 

「ちゃんと残しといてよ。」

 

慌てて食べ散らかした骨の数をかぞえ始めるオヤジ。

「いーち、にー、さーん、しー。

 今4本だ。あと3本か。

 食べられるかなぁ。」

 

「7本必ず食べるってことじゃないからね。大きいのをたくさん食べたんだから、1本長男に譲ったら?」

 

 

「は?

 

 そんなことをしたら、

 

 オレの方が

 

 2本も少なくなるじゃないか!

 

 

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・・・

絶句。

 

ムリ ムリ。オヤジに何を言ってもムリ。

開いた口が塞がらない。

 

 

何も言えずポカンとなった私の目の前で、

 

「どれどれ」

 はーむっ じゅばっ ちゅるるっ

 

 

 

残業で遅くなった長男。

「やった〜っ! 手羽先だ〜!

 今日もうまいよ〜!

 

 でも、

 今日の手羽先、

 なんか小さいね」

 

 

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ご、ごめんね。

遅くなると分かっていたら、先に取り分けたのにね。大皿にのせた母が間違ってたよ。

ああ、ごめん、ごめん。

 

 

オヤジは「分かった」といつも言います。でもオヤジの「分かった」は「理解した」ではありません。

「聞いた」

「聞こえた」

くらいかな。

 

でも聞き手の方は「理解した」と受け取ります。理解してもらえたんだな、と。

こうやって、「分かった」という言葉を使いながら、オヤジはこれまでの人生を何とか切り抜けて来たのだろうと思います。オヤジにとっては便利な言葉。

 

は〜〜〜〜〜

何度もこの言葉に裏切られて来たんだけれど、私の中の常識人が、まだ時々オヤジの「分かった」を鵜呑みしてしまいます。  オーノーッ

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、ひとりよがりな人ではありませんように・・・