授業参観事件
こんにちは。
子供の頃の思い出に、授業参観 ってありますか?
私は、はるか昔過ぎて、ほとんど記憶がありません。
一つは、小学2年生だったかな。
先生に指名された友達が、マラソン大会の作文を読んだのですが、そのクライマックス部分で、
「後ろから、しんこのこさんが鬼のような赤い顔で追いかけてきました。」
と・・・。
教室の後ろには、たくさんのお父さんやお母さんが立っていました。
もちろん、私の母も。
私は恥ずかしくて恥ずかしくて、泣き出したいのをぐっとこらえ、うつむいて歯をくいしばったことを覚えています。
もう一つは、授業参観ではないけれど、中学・高校の部活動でやっていたバスケットボールの試合を、母が応援に来てくれたこと。すごく嬉しくて、励まされたことを覚えています。
母いわく、
「あなたが、人一倍汗っかきなのが、かわいそうで、かわいそうで。」
バスケットボールのルールもよく知らなかった母。自分の娘が「汗かき」なのが、心配でたまらなかったようです。
そうそう。私も子供の授業参観に行くと、
手悪さしてないかな?
ちゃんと話を聞いてるかな?
指名されたら答えられるかな?
・・・と心配ばかりしていたように思います。
それが親心ですかね。
ということで、今回のお題は「授業参観」です。
* * *
中学2年生の息子の参観日。
珍しいことに、いつもは行きたがらないオヤジが、
「オレも行こうかな。」
と言ってきた。
一緒に行くのは少々面倒だったが、
嫌だとも言えず、そろって行くことになってしまった。
土曜日だったせいもあって、父親の参観者も結構な数。
オヤジがいてもあまり目立たないな、と少しほっとした。
しかし、いざ廊下で横に並んで見ていると、
「あー、寒いな。
教室には入れないのか?
うー、寒っ。」
オヤジが立て続けに、ぶつくさ、ぶつくさ。
言葉に加えて、手をさすったり、腕をさすったり。
「教室には誰も入ってないんだから、ここで黙ってじっとしててよ。」
心の中で、
あー、やっぱり一緒に来るんじゃなかった。面倒臭いなぁ。
と。
しばらくして、私は他のクラスの様子を見に行くことにした。
ぶつぶつ言うオヤジの隣にずっといるのも・・・ねぇ。
授業参観は、懐かしいママ友と会うのも醍醐味の一つ。
数人のママ友と小声で会話を楽しんで、息子の教室へ戻って来た。
( おや? オヤジがいない。)
( どこかに行ったのかなぁ・・・)
なんとーーーーー!!!
ポツン、
ど真ん中、
腕組みなんぞして、
オヤジがひとり、
教室の後ろに立っているではないかーーーーー!!!
しかもーーーーー!!!
コクン、コクン、
寝ちゃってるよーーーーー!!!
* * *
私は忍者のごとく、
目にも止まらぬスピードで、
オヤジの所へ走って行き、体を揺さぶった。
「おとうさん、何してるの!?
起きて!
さっさと出て来てよぉ!」 ( もちろん小声で )
私はまたもや忍者のごとく、
教室から、
いや、
学校から、
走って逃げ去った・・・
帰り道を、ひとりで歩きながら、
しばらくの間、ぷるぷる体が震え続けた・・・
オヤジーーーーーー!!!
何しについて来たんだよーーーーーー!!!
二度と一緒に行くものかーーーーーー!!!
この日、息子が帰って来て尋ねてみたが、どうやらクラスメートには気づかれなかったようだ。しかし、周りの保護者はどうだっただろう?
この日をさかいに、学校から授業参観の知らせが届いても、『私が行くからいいよ。』とオヤジに告げている。
今日のひと言
あなたの旦那様が、子供に悲しい思いをさせない人でありますように・・・