白血病と闘う⑤
こんにちは。
前回の続きとなります。
4歳の三男、白血病で闘病中。大学病院で母子入院中です。( 10年ほど前の話です。)
* * *
三男は厳しい治療に耐えていた。痛い治療は麻酔中に行われるので、「痛み」を感じることはほとんどなさそうだった。それでも1日に3~4回はマズイ薬を数包飲み、点滴を何時間もつながれる。強い治療の後は顔色が悪くなり、輸血も度々行われた。
「きつい」とも「くるしい」とも言わないけれど、頑張っていることは分かっている。頑張っているのに、「頑張ろうね」と何度も繰り返す自分が悲しかった。代われるならば代わってあげたい。毎日毎日そう思う。
調子の良い時には一緒に遊ぶ。ベッドの上で出来る遊びもたくさん考えた。治療はきついけれど、楽しいこともいっぱいあるね。明日もきっと楽しいことが待っているよ。そうやって一日一日を乗り越えていく。
この頃の合言葉は、
「あきらめない!」
だった。
三男の言葉に、私の方が励まされていたのかもしれない。えらいね、三男。
三男が個室で治療を受けている間は、土日にオヤジと病院泊まりを交代出来た。しかし、4人部屋に移ると、それも出来なくなってしまった。
次男がお世話になっている施設が遠方だったため、オヤジが朝迎えに出ても、戻ってくるのはお昼過ぎ。それから病院に来て交代すると、私が長男次男と過ごせるのは5〜6時間。
それでもやっぱり嬉しかった。離れて過ごした1週間を取り戻したい。そんな気持ちだった。
ところが、いざ家に帰ってみると、家の中が汚い。
2人で生活しているとは思えないほど汚い。
汚すぎる。
猛スピードで掃除をし、洗濯物にアイロンをかけ、タンスの中を整理する。
せめて夕飯くらいは手料理を食べさせたいから、買い物に行き料理をする。
あれれ?
子どもたちと触れ合う時間がない!?
もう一度オヤジに頼んでみよう。週に1回でいいから部屋を片付けて・・・と。
長男次男と過ごす時間は、毎回あっという間に終わってしまう。夕飯の片付けを済ませたら、もう病院に戻らなければならない。
「また来週ね。お母さんも楽しみにしてるからね。おりこうさんにしててね。」
ぎゅーっと、ぎゅーっと、
ハグをして別れる。
面会時間ギリギリに、三男の待つ病室へ。
ウガ~~~~~~~~ッ!
なんでこんなに汚いの~~~~~~~~!
お菓子の食べ残し、空き缶、ペットボトル。
ベッドの布団はぐっちゃぐちゃ。
三男の髪の毛、お菓子の粉・・・!
( しかも三男はお菓子を食べられない )
汚い~~~~~~~~!
家に帰れば家の掃除、
病室に戻れば病室の掃除!
悲しい! 悲しい! 悲しい!
「お父さんと何して遊んだの?」
「ボクはね、遊ぼうって言ったんだけど、お父さんはずーっとテレビばっかり見て遊んでくれなかった。その後は寝てたよ。」
おのれ~~~~~~~~!
何しに来た~~~~~~~~!
今日のひと言
あなたの旦那様が、子どもを愛おしむ人でありますように・・・