頼んでみた!事件 その1
こんにちは。
オヤジと結婚してちょっと経ったころ、
オヤジが何かをしているのを見て、
( 何だったかは、すっかり忘れましたが💦 )
「不器用だよね。」
と、軽い気持ちで言ったことがあります。
すると、
いつもは穏やかなオヤジが、
突然、
ブチギレ。
「オレは、
不器用って言われるのが、
この世で一番嫌いだ!!!
二度とその言葉を使うな!!!」
と。
「・・・?」
ここまでの流れで、キレられるようなことあったかな。
何が気に障ったの?
それくらい、唐突のブチギレでした。
ういういしい新妻だった私は、
ちょっと涙ぐんで、
「ごめんなさい。もう言わないよ。」
なんて、
かわいらしく謝ったのでした。
その後、私は考えました。
きっと私の知らないオヤジの過去に、「不器用」に起因する嫌な思い出か、トラウマみたいなものがあるのだろう。
ここはひとつそっとしておいたほうが良さそうだ。
うんうん、この言葉は二度と口にするまい。
* * *
今回の話は、
このブチギレから5~6年後のこと。
【頼んでみた】シリーズ、第一弾。
私の趣味のひとつが、ミシン。
結婚してからも暇さえあればミシン。
子どもの服も作るし、
家の中は手作りの布グッズでいっぱい。
ミシンは私のストレス発散アイテムだ。
しかし、毎回押し入れからミシンを取り出すのは大変だ。
そこで、作業台を購入することにした。
組み立て式の細長いデスク。
三段ボックスみたいにネジを回していけば完成するのだが、
強度があって長いぶん、板が重い。
この重さが気になったのか、
オヤジが、
「オレが作ってあげよう。」
と言い出した。
これはめずらしい!
オヤジはこれまで、
三段ボックスひとつ、組み立てたことがない。
「じゃあ、お願いします。」
「おお、任せとけ。危ないから、
子どもはこの部屋に入れるなよ。」
張り切って始めたものの、
オヤジはかなり苦戦しているようだった。
隣の部屋まで、ぶつぶつ文句が聞こえてくる。
途中でチラッとドアを開け、
「代わろうか?」
と声をかけたが、
「大丈夫だ。」
のひと言。
不安だったが、待つことにした。
長い時間がかかった。
ほぼ半日。
「完成したぞー!」
やっと部屋から出て来たオヤジは、汗びっしょり。
「ありがとーーーっ💗 うれしーーーっ💗」
「汗かいたから、風呂に入って来る。」
そう言ってオヤジは浴室に消えた。
わーい、わーい!
私のかわいいミシン台ちゃ~ん ♪
早速あっちのお部屋に移動ちまちょうね~ ♪
むぎゅ~~~~っ ♪
ウオーーーーーーッ!!!
ぐらん ぐら~~~~~~ん
ネジ、付いてるの~~~~~~~!?!?!?
* * *
これはまずい・・・
早く何とかしなければ・・・
私は急いで工具を取り出した。
オヤジが風呂から出てくる前に、
なんとかやり直して、
完成させて、
あっちに運んで、
何事もなかったように、
感謝しなければ!!!
でないと・・・・
私の口から、
アノ言葉が、
出てしまうーーーーーーーー!!!
あのブチギレから約二十年、私はオヤジに向かって「不器用」という言葉を使ったことは一度もありません。心の中では、幾度となく叫んでますが・・・ えへっ(*´∀`*)
今日のひと言
あなたの旦那様が、せめて三段ボックスくらい作れる人でありますように・・・