初詣事件
こんにちは。
オヤジは「お祭り」や「初詣」が好きです。
何が好きかというと、露店に並ぶ数々の食べ物たち。
焼き鳥、トウモロコシ、たこ焼き、焼きそば、ラーメン・・・
次は何を食べようかと、あっちにもこっちにも目をギラギラ光らせます。
しかしながら、
お値段が・・・・少々立派💦
家族5人で出かけると、食べたいだけ食べる、というわけにはいきません。
しかし、オヤジは食べたくて仕方ないのです。
あれも、これも。
「こんな時ぐらい、いいじゃないか!」
必死になって、言い張ります。
うーむ。
私もあの賑わった雰囲気は大好きなのですが、
オヤジのそんな姿を見ていると、
だんだん気分が・・・ しゅ~ん
今回は、数年前に行った初詣の話です。
* * *
ある年のお正月、家族で初詣に行くことにした。
正月三が日はオヤジの実家と私の実家を行き来するので、
初詣はそれが過ぎてからになる。
電車通勤をしているオヤジが、「時刻表」を取り出した。
スマホはまだなく、もともとアナログなオヤジは、
常に「時刻表」を持ち歩いていた。
車で行くこともできるが、混雑しているかもしれない。
そこで今回は電車で行くことにしたのだ。
「電車が9時13分に発車だから、
9時5分に家を出ればいいな。」
オヤジの時間設定はいつもギリギリ狙い。
一緒に歩く家族のことはまず考えない。
「何かあったらいけないから、
もうちょっとだけ早く出ようよ。」
しぶしぶオヤジは賛同した。
あれだけギリギリを狙うくせに、
いざとなると、早く出発したがるオヤジ。
準備はまだか、まだかと、あおり出す。
駅に着き、それぞれ切符を買った。
途中乗り換えて、
目的地の神社に到着。
「うへーーーーっ、並んでるなあーーーー!」
とオヤジ。
オヤジは並ぶのが嫌いだ。
待つのが嫌い。
本殿に通じる階段の途中まで、参拝者が列をなしていた。
「みんな順番待ってるんだから、
ガマンしてよ。」
オヤジをなだめながら、長い列を一歩ずつ進んで行く。
30分ほど牛歩して、ようやく最前列までたどり着いた。
皆で参拝。
オヤジは何を祈るのだろう・・・
誰も想像できない。
残念ながら、この日は露店が出ていなかった。
何かが食べたいオヤジのために、
近くの道路沿いを歩いてその何かを探す。
しばらく歩いて、イートインできるケーキ屋さんを発見。
ケーキ1つでは満足できないだろうが、
いくぶん気持ちが落ち着いたらしいオヤジ。
「じゃあ、帰ろっか。
おとうさん、電車の時間見てくれる?」
時刻表を取り出し、ふむふむと。
「少し急げば、
12時46分の電車に間に合うぞ。
次は30分後だから、みんな急げ!」
バタバタと片付け、店を出て、私たちは歩いて来た道を引き返した。
急げ、急げと言われて、早歩きから小走りに。
「きついよ~」
そんな子どもたちを励ましながら、私もせっせと歩き続けた。
ゼイゼイ・・・
どうにか、駅に到着。
同時に電車も入って来た。
階段を駆け上がる。
「あれっ? おとうさん何してるの?」
切符販売機の前にいる。
オヤジ、往復切符を買っていなかったらしい。
「大丈夫だ。まだ3分ある。」
「ええっ? 電車来てるよ?」
「大丈夫だって。46分の発車なんだから。」
オヤジがようやく切符を手にした瞬間、
電車が動き出したぁ???
末の息子。
「待ってーーーー!
乗りまーーーーす!」
電車は徐々にスピードを上げる。
手を振りながら電車を追いかける息子。
「止まってーーーー!
乗せてよーーーー!」
みるみるうちに電車は小さくなり、
姿を消した。
うなだれて戻ってきた息子。
ようやく階段を上り終えたオヤジ。
「なんで行っちゃったんだろうねぇ。」
( むむむ? )
ホームの時刻表を見てみると、
あれ?
「おとうさん、ここの時刻表には、
43分って書いてあるよ?」
「そんなはずないじゃないか。
46分って、ほら、ここに・・・・
あーーー、一つ先の、駅の時間だ!」
オヤジは、一つ先の駅の時刻を見ていたのだった。
何故 間違える~~~~~~~~!?
駅名、全く違うし~~~~~~~~!!
あり得ない~~~~~~~~~!!!
次の電車が来るまでの30分、誰ひとり口を開かなかった。
電車に乗ってからも、
誰ひとり、
オヤジの横に座らない。
今日のひと言
あなたの旦那様が、楽しいお出かけを準備してくれる人でありますように・・・
10月の風に揺れるコスモス・・・