四コマオヤジの事件簿 

やってやれないことばかり

バンメシ事件

こんにちは。

 

 

これはまだ三男が離乳食を食べていた頃の話。

 

 

私は40度超えの高熱が続いていた。

 

土曜日に近くの医院を受診したのだが、熱は下がらず、経験したことのない激しい頭痛に苦しんでいた。

 

だが、母親に休みはない。

グラングランに揺れる体を必死に支えながら、どうにか家事をこなしていた。

 

そして日曜日の午後、とうとう耐えきれなくなり、結婚して以来 初めて布団に伏した。

 

 

 * * *

 

 

夢を見た。

 

 

場所は実家の2階で、

その窓から、

行列のようなものが見えた。

 

皆、黒と白だけの装い。

2、30人ほどの行列。

 

こちらに向かってどんどん歩いて来る。

だいぶ家に近づいたな、

と思った時、

階段から私の祖父が現れた。

 

祖父は真っ白な、不思議な服を着ていた。

足にはわらじを履いている。

 

 

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やさしい微笑みを浮かべて、

 

「しんこのこ、

 お前は今までよく頑張った。

 さあ、一緒に行こう。」 

 

と、私の手を取った。

 

 

咄嗟に私はこう答えた。

「おじいちゃん、私にはまだやらなくてはならないことが残っています。一緒には行けません。」

 

私は祖父の手を離し、代わりにポテトチップの袋とノートを握りしめて、先に階段を下りようとした。

 

 

   キ キ キ キ キ        (ふすまが開く音)

 

 

 

 

 

 

 

「バンメシ何を食べたらいい?」

 

 

 

オヤジのこの声で目が覚めた。

 

 

そして見上げると、

期待に胸を膨らませたオヤジの目が、

早く食べたいよ〜、早く、早く、

そう催促しているように見えた。

 

 

 

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 ( ま、マジで・・・? )

 

 

 

私は布団から這い出し、

うどんを作り、離乳食を作り、

 

再び布団へ・・・

 

 

 

うどんがおいしかったのかな?

 

隣りの部屋から、オヤジの大きな笑い声と、

子どもたちの声が聞こえていた・・・

 

 

  * * *

 

 

翌月曜日から一週間、私は毎日医院通い。点滴を受け続けた。めまいと吐き気も続き、医師によると、「髄膜炎」になっていたのかもしれない、ということだった。「よくここまで自力で回復したね。」と医師には褒められたが・・・

夢の中で、11年前に他界した祖父の手を離したのが良かったのだろうか? あるいは夕飯を催促したオヤジに感謝すべきなのか?

とにかく、こうして無事に生きながらえているものの、一日たりとも寝込むことを許されない、過酷な二十数年を送っている・・・

 

 ポテトチップ? お腹が空いていたのかなぁ???

 

 

追記 :

ファンヒーター事件の時は、成長した息子たちにずいぶん助けてもらいましたよ✨ 洗濯も協力してやってくれたし、ご飯も、長男が弟たちをつれて外に食べに行ってくれました。   あ~ ありがたや~✨

 

 

今日のひと言

あなたの旦那様が、せめて病気の時くらい、ゆっくり休ませてくれる人でありますように・・・

 

  

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 元気出していこう!